2005年11月29日 asahi.comマイタウン 静岡より抜粋
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◆野良猫対策 増えさせず天寿全う 県東部の公園。23日午後5時過ぎ、日が暮れて人気がなくなったころ、その一角に女性(53)が姿を見せると、十数匹の猫が集まってきた。街灯の薄明かりの下で、女性はキャットフードやかつお節を皿やチラシの上に置いた。猫が食べ始めると、猫が寝る植え込みを整えたり、ごみなどを拾い集めたりした。 女性は、3年半余り前から県東部で地域猫活動を続ける市民団体「捨て猫をなくす会」のメンバー約15人の1人だ。会によると、この公園には現在30〜40匹ほどの野良猫がいるとみられ、5〜6人が交代で毎日欠かさず訪れている。 耳にピアスをした猫が目立つ。避妊や去勢の手術を終えた目印だ。県のまとめでは、17市町が手術に助成金を出しており、この公園のある自治体でも1匹に5千〜7千円の助成金があるが、手術費用の一部にすぎず予算にも限りがある。 会は手術などの資金を工面するため、フリーマーケットを開いたり、猫の写真展を開いて募金を集めたりしているが、賄いきれないのが実情だ。この女性の場合は餌代や手術代などで毎月5万〜6万円ほどの持ち出しがあるという。 会は、避妊・去勢で繁殖を抑えるとともにインターネットで新たな飼い主を探す活動も進めた。この公園に当初三十数匹いた野良猫は一時半減した。屋外の猫の寿命は4年程度といわれる。会はすでに3年以上、この公園で活動しており野良猫は減少していくはずだった。だが、今のところ減っていない。捨てる人が後を絶たないからだ。公園の実名も出さないでほしいと、会のメンバーから依頼された。名前が出れば、「あそこに猫を置いてくればいい」と考える人が必ず出てくるからだという。 女性は、無責任な飼い主に憤った。 女性は食べ残しの後始末をすると1時間ほどで公園を出て、前日に去勢手術を受けた野良猫を引き取って公園に返すために動物病院へ自家用車で向かった。 活動を知っていた178人のうち、59%が「良い対策」と答えた。35%の「方法がなく仕方ない」を加え、都は「94%が評価し、疑問視や反対の声は少なかった」と受け止めた。 活動前後の地域変化としては、「猫による迷惑が減少した」(複数回答で61%)が最も多く、「環境美化につながった」(26%)や「地域の交流が活性化した」(19%)など効果を実感する声が寄せられた。 これらを踏まえ、有効な解決策の一つと考えた都は今年4月、ほかの地域への普及を目指して、取り組みの流れや手順、モデル地域での実践例などをまとめたガイドブックを作った。地域の講習会に都職員を講師として派遣したり、都の獣医師が一部の避妊・去勢手術を無料で請け負ったりする具体的な支援も本格化させている。
◆浜松市で01年度から 地域の合意が「カギ」/県内 県内では、市民団体などが独自に活動しているほか、例えば浜松市では01年度から公園などを指定地域として、「地域猫」活動に取り組んでいる。市が委託契約を結んだ獣医師に避妊・去勢手術をしてもらうとともに、地域住民らが餌やりや清掃をしている。 地域住民の理解を得るため、「公園に生息している野良猫に動物愛護の考えにより餌を与えています。避妊・去勢を済ませ一匹ずつ把握しています」との文書も掲示した。文書では、餌は指定された時間、場所、容器で与えることや、容器は1時間以内に回収し、残った餌や糞は責任を持って清掃することなどを明示している。 市保健所生活衛生課の担当者は「最も大切なことは地域住民の合意」と強調した。ただ、理解はしても目の前で野良猫に餌をやられるのは不快と感じる猫嫌いの人は少なくないという。「『百点満点』の策ではない。猫好きも猫嫌いも対話を続けることが大切だ。『猫の問題』というが、捨てる人を含め、『人の問題』だ」と指摘した。 県生活衛生室のまとめでは、04年度に県内で猫に関する相談や苦情は3111件に上った。そして自治体が引き取った猫は9681匹を数え、ほとんどが致死処分された。81%が子猫だった。「飼い主がどれほど無目的、無責任に子猫を産ませているかがよくわかるデータだ」。担当者は顔をしかめた。 野良猫のもとをたどれば、無責任な飼い主に行き当たる。同室動物愛護係は(1)最後まで飼い続ける(2)放し飼いをせず屋内飼育に(3)無目的に産ませず、避妊・去勢手術を――と呼びかけている。 動物愛護管理法が改正され、猫などの愛護動物を捨てるなどした場合の罰金の上限が30万円から50万円へ引き上げられた。来年6月までには施行される。 |